人権とは、AI先生の教えるところによれば、
「すべての人が生まれながらにして持っている、人間らしく幸せに生きるための権利」
である。
この権利は、だれもが知っているように、日本国憲法がすべての国民に保障している。
しかしこの権利ーーいわゆる「人権」は、だれにも認められているわけではない。ストーカー加害者のように、他人の人権を侵害した卑劣なオオカミ男には認められないことは、前回のブログで述べた通りである。
ところで、憲法はまた次のようにも規定している。
「1.集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
2.検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」
この条文を読むかぎり、「通信の秘密」の尊重も、憲法が国民に保障する「人権」の一つだと考えられよう。
では、新聞が伝える次のケースを、我々はどう考えればよいのだろうか。
「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)による強盗や特殊詐欺の深刻な被害を受け、警察庁は6日、匿流が使うスマートフォンなどの端末から通信内容を遠隔で入手する新たな手法の導入に向けた検討に入った。匿流メンバーの通信内容を把握し、事件を未然に防ぐのが目的という。
新たな手法は、警察が相手の端末をハッキングする形が想定され、憲法が保障する『通信の秘密』との整合性が問われかねない。」
(朝日新聞8月7日)
匿流(匿名・流動型犯罪グループ)が使うスマホから通信内容を入手することは、匿名・流動型犯罪を防止することに役立ち、「社会の福祉」に資するから、前回のブログで私が述べた考え方に従えば、匿流(匿名・流動型犯罪グループ)が使うスマホから捜査当局が通信内容を入手し、彼らの「通信の秘密」を侵すことは、充分に許されることのように思える。
いかがだろうか。
私はテレビドラマの「大追跡〜警視庁SSBC強行犯係」(テレ朝)をよく見るのだが、ハイテクを駆使して犯人を追いつめる彼ら「SSBC強行犯係」の係員たちも、犯人たちの「通信の秘密」を侵さないよう、細心の注意を払っているように見える。
フィクションの世界を描くテレビドラマのことだから、べつに気にする必要はないといえるが、「SSBC強行犯係」の係員が犯罪者の「通信の秘密」を侵さないように気遣うことの是非も、やはり気になるところだ。
ここで、ひとつ留意しなければならないことがある。それは、「通信の秘密」を侵してはならない、という憲法の条文が、何のために設けられているかである。
よく言われることだが、憲法のこの条文は、政府の権力行使を制限するために設けられている。このことを忘れてはならない。
仮の想定だが、もしこの条文がなかったとすれば、ーーそして、政府の捜査当局が容疑者の「通信の秘密」を好き勝手に侵すことができるとしたら、どうなるだろうか。
かつての特高(特別高等警察)が行ったように、政府は共産主義者などの反体制活動家の取り締まりを思うままにできるようになり、そこに、政府が専制的な権力を振るう社会ーー戦前のような暗黒の社会が出現することになるだろう。
戦後につくられた日本国憲法は、社会がそのような暗黒の時代に逆戻りしないように、政府の権力行使を制限するこの条文を設けているのだ。
たとえ「SSBC強行犯係」のように、凶悪犯の犯罪を捜査するためであっても、容疑者の「通信の秘密」の侵害を認めてしまえば、それが「アリの一穴」となって、政府の専制的な権力行使を可能にしてしまうことになる。
繰り返す。捜査当局が「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」の「通信の秘密」を侵すことを許せば、政府は同じ手法を用い、「治安維持のためだ」という口実で、自らに批判的な「反政府活動家」たちをドシドシとブタ箱送りにすることだろう。
どこかの国のような、そんなアブナイ世の中になってほしくない、と私は思うのだが、いかがだろうか。